« ロッテ歌のアルバム | トップページ | ペスの時間チャッピーの時間 »

2004年3月13日 (土)

やじと声援

 平成16年3月9日、子供の頃から慣れ親しんでいる西京極球場で娘と阪神のオープン戦を観戦する。
 最近では、この球場でのプロ野球の開催は、阪神の公式戦とオープン戦が年に各一回あるのみであるが、私の子供の頃は阪急、近鉄の主催試合がかなり行われ、近鉄ファンの兄と足を運んだものだ。
 当時でも阪神の試合は満席となったが、パリーグの試合は観客が少なく、ネット裏、ダッグアウト上等どこでも好きなところに座れ野球を堪能する事が出来た。現在のように観客が声を合わせて応援するというような事はまったく無く単発的な声援とやじが飛び交うなかで試合は進んでいく。勝敗の興味が薄れてしまうと、球場は、やじの独擅場と化す。やじを飛ばす人の中でオチのある大変上手いやじを飛ばす、やじ名人が二、三人はいたものだ。一人のやじで球場全体が笑いの渦に巻き込まれるという事さえあった。(観客が少なく声がよく通った)
 さて、1回の裏、阪神の攻撃、鳥谷が打席に入るや否や、オープン戦とはいえ満員のネット裏指定席にチョコンと座っている私たち父子の頭上で突然、「鳥谷~」と天地を揺るがす大声が。娘が震え上がる。振り向くと大男がわめいている。「打て~」「頼むで~」「鳥谷~」ヒットが出ると「ええぞ~鳥谷~」よほど鳥谷ファンなんだなぁと思ったのも束の間、「藤本~」「打て~」「頼むで~」「ええぞ~藤本」「今岡~」「広大~」と続いていく、あまりの大声で頭クラクラ。3回終了時、まだ空席のある3塁指定席を目指し放浪生活を決意。3塁側空席にたどり着きネット裏を見ると相変わらず「桧山~」「片岡~」とわめいている。
 試合も進み席を渡り歩いていると近くに西京極伝統のやじ飛ばし人を発見。「ハゲの大ちゃん、むにゃむにゃむにゃ」ビール片手に声を上げているが、歯切れが悪い。「関川、関川おまえそこしか打てへんやろ」打席に入っているのは関本。わざと名前を間違えるやじり方もあるが、この人そうでもないみたい。今日は何も打ってないのに「そこ」ってどこ。あぁ昔の人は上手かったなぁ。
 古い話になるが、宝塚歌劇の杜けあきの引退公演『忠臣蔵』で、演技が決まった時、間髪入れずに「カリンチョ」のかけ声が。宝塚でのかけ声は珍しいが、見事なかけ声にいたく感激した事がある。演技が決まる、かけ声、拍手、最高の舞台演出である。かけ声の入れ方は一秒の狂いも許されない。数は少なく、ここぞというところに見事に入れるのが最高である。熟練した技術が必要だと思う。へたに入れると迷惑な雑音である。
 野球の場合は技術も何も必要ないが公衆の面前で大声を上げる以上少し考えればと思う人が居る。やじる場合は、正確な知識を持って明確でなければならない。たとえばもし島田紳助がやじれば私は苦笑いするであろうが、ト●ーズ雅がやじれば「???」。
 しかし、しかし頭が痛くなるほどの大声でも、へたなやじ(観客が声を合わせて応援する現在、やじの存在は乏しいが)でも阪神ファンなら許せる。特に公式戦で試合が盛り上がってくるとどんな大きな声も、下手なやじも、窮屈な座席もまったく気にならなくなり、逆に大きな声は舞台演出のひとつに感じるようになる。公式戦では1回から盛り上がり、ここぞも一杯だ。
 しかし、ただひたすら阪神の勝利を信じ、皆に合わせメガホンを叩き、控えめな声で「かっ飛ばせ~・・・」と言いながらビールを飲んで少し気が大きくなり、ここぞという時、我れを忘れ思わず大声(周りの人にはそれでも中途半端の大きさに聞こえる声)を出すような阪神ファンが私は一番好きである。
 日常の生活では出す事のできない声を出し、勝利というただひとつの目標に向かい、見知らぬ人と共にひたすら応援し、心の底から勝利を喜び合う阪神観戦は最高である。
 阪神ファンの皆さん今年も声を張り上げ応援しましょう。

|

« ロッテ歌のアルバム | トップページ | ペスの時間チャッピーの時間 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22972/293121

この記事へのトラックバック一覧です: やじと声援:

« ロッテ歌のアルバム | トップページ | ペスの時間チャッピーの時間 »